橋の名は。物語 思案橋


思案橋

・佐賀市東佐賀柳町  ・旧長崎街道筋  ・水路

 

*土木遺産登録 

          (土木学会)

                

  竣工) 明治23年(1890年)

  諸元) 橋長=12.8m

       幅員=4.0m

  復元) 昭和58年、当初設計を     参考にした木目調PC擬木高欄。

       

  橋の名は。 江戸吉原、長崎丸山の「思案橋」に 代表されるなど各地の(*)遊郭の入り口にあった橋をいう。

本橋の場合も、長崎を起点に小倉まで至る長崎街道筋にあり、周りに多くの商家(一粒金・漆・金箔等の蔦屋(つたや)、ビンツケ・ろうそく・元結い油の釜屋、松永呉服店、野中鳥犀園の滋養強壮薬)が立ち並んでいた。又、材木運搬や千石船のターミナルとして佐賀名物の買い物をしたり遊んだりと大変な賑わいをみせていた。

 


  「思案橋」の名もまさに、「さてさて行こか 帰ろうか」と迷い思案したとの由来と推察する。

 

                  (*)[三省堂 大辞林参考] 「遊郭」より

  各地に多様な構図を持つ遊郭の基本的な設計は、周囲を溝や堀で囲み、大門(おおもん;出入り口)のみの通行とした。(裏門はあっても非常用である。)市中から大門に至る道には、遊郭行きをためらう「思案橋」、遊郭に近づいて

身繕いする衣紋坂(えもんざか)などが配置され、大門のそばには、柳の木が植えてあることが多い。大門内には出張武士と町内役人の番小屋が並んで出入り人の監視と郭内の治安維持にあたった。

 



by 字っ茶3