橋の名は。物語 金桜橋

金桜橋(きんおうばし)

・福岡市中央区笹丘  ・市道  ・涌井川

  日本で初めてツバキ油を精製したことに由来する油山を源流として百道浜から博多湾に注ぐ涌井川の中流に位置する。

 

  金桜橋(橋長34m、幅員10m、平成9年完成)は、全国で初めて空き缶を使用して造られた合成床版橋である。構造的に本来、橋桁の中身としてコンクリートや硬質ウレタン等を充填するところに地元小学校(11校)の生徒たちによって集められた14万個の空き缶が封入されている。


  橋の右岸側のスペースには巨大な缶(タイムカプセル)のオブジエ(写真下)が設置されて関係した児童や市民の夢が詰まっている。この橋の建設目的は、「自然・環境・資源」との関わりについて未来の主役になる子供たちのエポック・メイキングを期待してのものであろう。

 

  橋の名の由来は、おそらく昔、この涌井川の堤防沿いにあった「鬱金(ウコン)の桜」が、春先に淡い黄金味を帯びた満開の状態を「金の成る木の金桜」として伝承されたと推察する。

 

  近くには、江戸中期に黒田藩の別邸として建造された「友泉亭」がある。昭和56年福岡市池泉回遊式日本庭園として整備された3000坪に及ぶ園内はしばし都心の雑踏を忘れ幽玄静寂な時が流れる。



by 字っ茶3